ボーカルに優れた人の共通点
歌唱技術に優れる人物にはいくつかの顕著な特徴が見受けられます。
- ピッチが正確である
- 優れたリズム感を持つ
- 広範囲の音域を持つ
- 明瞭な発音
- 魅力的な声質
- 表現力が豊か
これらは、歌唱力の向上に不可欠な要素です。完璧なスキルを持つ者は稀ですが、これらを鍛えることで、確実に歌の腕前は上がります。
例えば、ピッチが完璧ではなくとも、感情を込めて歌うことで聴く者の心を揺さぶることができる人もいます。逆に、表現力だけに偏って他の要素が不足している場合、真のボーカルスキルがあるとは言い難いでしょう。
歌唱力の向上を目指すならば、それぞれの要素を均等に伸ばす努力が必要です。それぞれのバランスを見極め、適切に調和させることが大切です。
さらに、歌唱力の感じ方は聞く人それぞれで異なります。個々の声の好みがあるため、歌のジャンルによっても歌唱力の定義は変わってきます。
目指すボーカルスタイルに必要なスキルを自己分析してみることが肝心です。例えば、演歌、オペラ、ロックなど、ジャンルごとに必要とされるボーカルテクニックが異なります。自身の目指すジャンルに合わせた分析と研究は、効率的な練習へと導くカギとなります。
効果的な基本練習法
では、前述のボーカル特性を自分のものにするためには、どのような練習が有効なのでしょうか。次に、それぞれの特性を磨き上げるための基本的な練習法について詳述していきます。
1.腹式呼吸
安定した声を出すために欠かせない呼吸法です。仰向けで、なんとなく呼吸をしてみてください。お腹の辺りが膨らむ感覚になり、自然に深く息を吸えたのではないでしょうか?
今度は立って、または座った状態で、次のように呼吸をして確認してみてください。
よく『4秒で空気を吸って、8秒かけてゆっくりと吐き出す』という言葉を聞いたことはありませんか?この呼吸法は腹式呼吸ができるのです。
2.ロングトーン
同じ音を長く出す発声方法です。丁寧にまっすぐなものを出せるようになれば、発声の基礎が徐々に体に染み渡ってきているという証拠です。
安定するには、息をゆっくり長く一定のスピードで吐き続けられることが必要です。なかなか息がもたない場合は、まず息だけを長く吐いてください。
最初は10~15秒くらいで息切れすると思います。
最初の目標は30秒くらいにしましょう。
3.高音と低音
高音を出すコツは、「声を遠くに飛ばすイメージ」を持つことです。
遠くに視線を向け、しっかりと声を届かせることを意識して発声すると、自然に喉の通りが良くなり綺麗に声を出すことができます。声が鼻から額や頭のてっぺんを真っ直ぐに通って出ていくようなイメージで歌いましょう。
また歌うときには、マイクを少し離して息をしっかりと出すと、声量が上がって声が通りやすくなります。高くても声量のある声を出すために、喉声改善をして腹式呼吸で口から出せる空気の量を増やすのもオススメです。
低音を出すコツは、力まずリラックスして発声することです。
緊張して自然に高い声が出てしまった、という経験はありませんか?
体がこわばると低い音が出しにくくなってしまいます。
上記の腹式呼吸でロングトーンに加えて脱力をして発声を繰り返し練習すれば、きっと高音と低音が少しずつ出しやすくなるでしょう。低音は高音のように難しい過程は少ないですが、その分コツを掴むのにテクニックが必要です。
4.リズム感
安定したリズムが取れなければ、歌のタイミングがずれやすくなります。歌が苦手な人は、歌に入るタイミングがずれたり途中でテンポが合わなくなることもあるはず。また、「表拍」と「裏拍」を意識することも大切です。
5.声量
声量を上げるには、「発声に必要な筋肉を鍛える」「吐く力を鍛える」「吸う力を鍛える」の3つが必要です。「発声に必要な筋肉」は、発声に必要な「腹斜筋(ふくしゃきん)」を鍛えるための筋トレがオススメです。
練習で意識したいポイント
1.ビブラート
カラオケの加点としても見たこともあるかと思いますが、ビブラードは歌うまのテクニックとしても有名です。
練習方法は、まずリラックスすることです。喉に力が入っているとうまく揺らすことができません。
実は私たちが無意識でビブラートを使っているフレーズがあります。それは「うらめしや」というフレーズです。子どもの頃などに一度は言ったことがあるのではないでしょうか。この時自然と喉が震えている人はとても多いです。まずはこのフレーズで喉を揺らすイメージをしっかり掴んで、その後に「あーーーーー」と発声しながら喉を揺らしてみてください。
2.表現力
表現力はとっても大切です。せっかく頑張って歌っていても、一番曲が盛り上がるところやクライマックスで、メリハリがないと盛り上がりきれず、不完全燃焼になってしまいかねません。
たとえば、曲が盛り上がる前に一旦声量を下げ、聴き手に違和感を与えて意識を向かせます。聴き手が歌に注目しているとき、声量を大きくすることで曲が盛り上がって感動を与えられるはずです。
人は変化を感じたときに心が動くものなので、抑揚テクニックを身につけることで人々に強い印象を与えられるでしょう。
注意したいこと
せっかく歌手オーディションに挑戦したのに、マイナス要素になってしまう行動はしないに限ります。
例えば、過剰に誇張したモノマネや、テクニックを多用しすぎて原曲の魅力を大きく損なったりしていたりする場合、どんなに巧みなテクニックを用いても、原点対象になりうるということを忘れてはいけません。
まとめ
歌手を目指すオーディションに挑むため、皆さんは日々様々な努力を行なっていると思います。
この記事に書かれているコツや練習法を試してみて、是非歌唱力のアップに努めてみてください。人生を大きく変えるためには毎日の積み重ねが大切というのはわかりますよね。それでも、だからこそ、頑張って毎日を小さく積み重ねて、自分だけの力をつけていくことが大事です。まだまだ若いからやらなくていいと思ってはいけません。若いからこそ、毎日の努力が大きな結果に結びつくことがあるのです。日々、どのような努力を続けていますか?皆さんは、まだまだ可能性の塊です。諦めず、コツや練習法を試して、力の向上を試してみてください。