高音と低音の違いとは？

声を出す仕組みとして、高音と低音ではどのような違いがあるのかを皆さんは知っていますか？そもそも、声は喉仏の中にある声帯を息で振動させることで発していて、声帯の形状を変化させることで高音や低音を出すことができます。

まず高音を出す仕組みですが、声帯を薄く伸ばした形になることで高い音を出すことができます。また、発声時に出す息の量が低音時に比べて強く、声帯の振動数が多くなるのが特徴です。しかし、息を強く声帯にあて過ぎてしまうと負担がかかってしまい、高音を上手く出せなくなってしまいます。

そして低音を出す仕組みですが、高音とは逆に声帯を厚くすることで低い音を出すことができます。そして、発声時に出す息の量は少なく、声帯の振動数も少ないというのが特徴です。喉に力が入ってしまい声帯のコントロールが上手くいかないというケースは多いようですが、声を出す際にリラックスすることで低音を出すことができます。

高音を出しにくい3つの理由

歌っている時にどうしても高音が出せない、出そうとすると声がかれてしまうという人は、以下でご紹介する３つの理由が原因です。また、人によって異なりますが、高音が出せない理由は１つだけでなく複数が合わさっている可能性があります。それでは、高音を出しにくい３つの理由について一つひとつ見ていきましょう。

喉が十分に開いていない

よく喉を開くという言葉を聞きますが、イメージとしてはあくびをしている時の喉の状態をいいます。この喉が開いている状態をコントロールすることができれば、高音を出すことができるようになります。

しかし、高い声を出そうとすると力んでしまい、喉周辺の筋肉が収縮して喉が閉まってしまい、高音が出なかったり声がかれてしまったりするケースが多いです。ハイトーンボイスを出すにはパワーが必要ではありますが、単に力を込めて出すものではありません。

声と一緒に吐く息の量が少ない

歌声だけでなく、発声する際に吐き出す息の量が多ければ大きな声、少なければ小さな声になってしまうものです。ハイトーンボイスの特徴はノビのある高音なので、高音で上手く歌えない人は吐き出す息の量が少ないことが考えられます。

かといって、単純に吐く息の量を増やせば良いという訳でもありません。高音を保ちつつノビのある声を出すには、同時に吐き出す息の量が適切でなければならないので、しっかりと調節する必要があるでしょう。

身体が力んだ状態で高音を出そうとしている

高音で声量を出すにはパワーが必要なので、おへその下にある丹田と呼ばれる部分に力を込めて歌います。しかし、必要な場所ではなく身体が力んだ状態で高音を出そうとすると、声帯は開きづらくなりますし声量も不安定になります。

喉の開きや息の量に注意しているのに高音が出せないという方は、力の入れどころが間違っているのかもしれません。歌っている時にどこに力が入っているのか、無駄に力んでいないかを見直してみましょう。

高音を出すためのトレーニング方法

今は高音が出せなくても、トレーニングを続けることでハイトーンボイスを習得することができます。そこで気になるのがトレーニング方法ですが、どのようなものがあるのでしょうか？ここでは、高音を出すためのトレーニング方法を３つご紹介していきます。

裏声を鍛えて高音を出す

高音の出し方ですが、決められた発声方法はありません。そのため、地声ではなく裏声でノビのある高音を出すことができれば、ハイトーンボイスを習得することができます。ちなみに、裏声を使った高音の出し方は喉に負担がかかりにくいので、おすすめの発声方法とも言われています。

練習方法としては、まず裏声の音域を少しづつ下げていき、ある程度の低音域の裏声が出せるようにしましょう。ここまでができるようになったら地声を使わず裏声だけで一曲歌い、慣れてきたら地声と裏声を切り替えながら歌える練習を行いましょう。

エッジボイスを出せる練習をする

ハイトーンボイスとは逆に声帯を閉じたまま発声するエッジボイスは、喉の状態をリラックスさせた状態でなければ出すことができない発声方法です。つまり、喉の状態をコントロールできる練習になるので、高音を出すおすすめのトレーニングとされています。

また、エッジボイスを習得できれば高音が出せるようになる他、声のかすれを改善できますし今までできなかった表現ができるようになるなど、歌唱力を高める効果もあります。

ミックスボイスの練習をする

地声と裏声を同時に出しているような発声方法として知られるミックスボイスを練習すれば、高音を出したいときに喉を開けるようにできる練習に役立ちます。さらに、高音域でも力強い声量で歌うこともできるようになるので、裏声よりも迫力ある高音を出せるようになるでしょう。

高音が印象的な有名アーティスト

ここでは、高音が印象的な有名アーティストを３名ご紹介していきます。

米津玄師

宮崎駿監督の10年ぶりの映画作品の主題歌を務めている米津玄師さんは、力強く魅力的なハイトーンボイスが印象的な有名アーティストの1人です。ニコニコ動画での投稿がきっかけで有名になり、当時は高校1年生にして作詞・作曲をしたオリジナルソングを発表していたそうです。

ヨルシカ

ソフトな歌声とダイナミックに高音を表現するヨルシカさん。最近では人気アニメ「葬送のフリーレン」のオープニングテーマを務めているので、10～20代の若い世代であれば誰もが知っている高音が印象的な有名アーティストです。

あいみょん

まるで詩のような歌詞で注目を集めているあいみょんさん。高音を強調する歌い方ではなく、中音域の高音で歌っているので、ナチュラルな高音が特徴的な人気アーティスとです。有名な楽曲「裸の心」も、高音で歌っているようには聞こえないような自然な歌声が魅力的です。

まとめ

高音を出すと声が枯れてしまう、キレイに出せないという人でも、トレーニングをすることでハイトーンボイスを習得することができます。習得できれば今よりも歌うことが楽しくなりますし、歌手を目指している人であれば今後の活動に役立つスキルです。

また、ご紹介したトレーニング方法は高音を出す以外のスキルも習得できます。今まで歌えなかった曲が歌えるようになる、無理をすることなく自然に歌うことができるなど、メリットが豊富な練習方法になっているので、ぜひチャレンジしてみてください。