どんな声なのか?
声帯を閉じながら発声することで出る独特のガラガラ声のことです。朝起きてすぐに声を出す時のガラガラした声や、ホラー映画『呪怨』で伽椰子が発する「ア゛ア゛ア゛ア゛」という声が一例です。
通常の声とは異なりブツブツと途切れたように聞こえ、響く声にはなりません。このテクニックは、平井堅さん、ONE OK ROCKのTakaさん、Aimerさん、宇多田ヒカルさん、アリアナ・グランデさんなど、多くのアーティストが活用しています。
マスターすることで、高音の発声時に息が漏れにくくなり、力強い高音を出せるようになります。表現の幅を広げるためにも、習得してみましょう。
練習方法
正しく習得するためには、正しい方法で練習することが重要です。間違った方法で続けると、声帯や喉に負担がかかり、ダメージを与える可能性があります。以下に、出し方と練習方法を詳しく解説します
落ち着くことが大切
余計な力が入っていると喉が締まりやすく、声帯を適切にコントロールできません。また、喉や声帯に強く力が入ると、声を出すときに痛めてしまうことがあります。
声を少しずつ低くしていく
まず、力を抜いた状態で「アー」と発声してみましょう。そのまま少しずつ声を低くしていき、出せる最も低い声を出します。さらに低くしようとすると、ガラガラした声が出るはずです。
声帯を自然に閉じて発声する感覚をつかむ
声帯を自然に閉じて発声する感覚をつかむため、口を開けて落ち着いた状態で声を出します。次に、声を止めてみてください。これを何度か繰り返すと、喉の奥で何かが動く感覚がつかめます。これが声帯です。また、息を吸いながら出す「吸気のエッジボイス」も効果的なトレーニングになります。
一語ずつしっかり発音する
一音ずつ区切って発声することで、声帯を自然に閉じるときの動きを感じやすくなります。身体に力が入らないよう、適度な力加減で発声してください。
ミックスボイスの練習につなげる
出し方が分かったら、次はミックスボイスの練習に進みます。地声とファルセットの連携力を高めることが重要です。同じ音で「地声→ファルセット→地声→ファルセット」と交互に切り替えて出す練習を行います。
出し方
出し方には2つのパターンがあります。好きな方でやってみましょう。
パターン1 息を止めてから出すやり方
喉の力を抜いて力を抜く。
喉だけを閉じて息を止める。
最小限の息で声を出す。少ない息の量を意識することがポイントです。
パターン2 一番低い声から出すやり方
落ち着いて「あー」と声を出す。
音程をどんどん低くしていき、最低音まで持っていく。
ガラガラした声に変わればOK。息が切れるまでムラなく一定に声を出し続けます。
練習するときのコツ
イメージは映画『呪怨』のあの声
イメージが掴めない場合は、映画『呪怨』の声を思い浮かべてみましょう。正しいイメージを持つことで、習得がスムーズになります。
慣れないうちは小さな声でOK
初めは自分にしか聞こえないくらいの小さい声で練習します。息の量を調整するのに慣れてきたら、徐々に通常のボリュームに近づけていきましょう。
これらのポイントを意識しながら、練習してみてください。正しい方法で練習を続けることで、声帯や喉に負担をかけずに習得することができます。
習得するメリット
習得することで、歌唱力が飛躍的に向上します。以下にそのメリットを詳しく解説します。
1. 力強く安定した声を出せる
練習を通じて、声帯を適度な力加減で自然に閉じることができるようになります。これにより、力強く安定した声が出せるようになると同時に、声のピッチが上下にブレることが少なくなります。
2. 地声からファルセットに切り替えやすくなる
地声とファルセットをスムーズに切り替える能力が向上します。地声とファルセットが切り替わるポイント(換声点)での声のひっくり返りや息漏れが減り、滑らかに移行できるようになります。
3. 喉の調子がわかる
声帯のコントロールが必要なため、喉の状態を把握する指標になります。うまく出せない日は、声帯が疲れている可能性が高いため、休息をとる目安になります。これにより、声帯や喉を無理に酷使することを防げます。
4. 声帯を落ち着かせる
声を出す前のウォーミングアップとしても有効です。声帯に無駄な力が入っていると出すことができないため、声帯を緩めるトレーニングになります。
5. 声帯を閉鎖する練習になる
声帯を閉じる練習にピッタリです。閉鎖筋を鍛えることで、喉を痛めずに声を出せるようになりますよ。
6. 息漏れの改善
練習を通じて声帯の閉じる感覚を掴むことで、息漏れが改善されます。これにより、クリアでまっすぐな声が出せるようになります。
7. 高音域が出しやすくなる
出す際に使う閉鎖筋を鍛えることで、高音を出すときに無駄な力が入らなくなります。その結果、伸びのある高音が出しやすくなり、喉への負担も軽減されます。
8. ミックスボイスの練習になる
ミックスボイスの習得には、エッジボイスが欠かせません。エッジボイスを通じて声帯を適度に閉じる感覚を養うことで、地声と裏声をスムーズにつなげられるようになります。
9. 歌の表現力が広がる
バラードでは切なく、ロックではクールに、R&Bではセクシーにと、多様な表現に使えます。これにより、歌の表現力が大幅に向上します。
習得することで、これらの多くのメリットをもたらし、歌唱力全般を向上させるために欠かせません。
まとめ
マスターすれば、力強い高音やスムーズな地声とファルセットの切り替えが可能になります。
落ち着いた状態で練習し、ミックスボイスの習得を目指しましょう。プロも使うこのテクニックは、自宅でのトレーニングにも適しています。歌が上手くなりたい方は、ぜひ挑戦してみてください。